念願の二人飲み②
この日わたしはカジュアルスタイルで、デニムのスキニーに、長袖トップス、ダッフルコートでした。
入った居酒屋がたまたま半個室のような区画になっていたことも理由の一つですが、
わたしは我慢できずに…ご主人様の目の前で、自身のトップスのフロントファスナーをゆっくりとおろし始めました…
突然、目の前で肌を露わにしようとする私を見て、ご主人様は大変驚かれておりました。
ご主人様の纏う雰囲気や仕草…表情や声色にすっかり魅了され、いてもたってもいられなかったのです。
下着が見えるところまでファスナーを下ろしてから、ちゃんと見てください…とお伝えし、ご主人様ははにかみながら困っているように見えました。
ご主人様が酔っ払っているところを利用したズルイ自分でしたが、はやる気持ちを抑えきれなくて…というよりも理性は完全に崩壊していたように思います。
…しかし、やはりそこはさすがご主人様でした。
ご主人様は最初こそはにかみながら、わたしの服の中を覗く仕草などされておられましたが、それもすぐにやめ、
わたしがご主人様の手を取り、自分の胸元へ誘導しようとした時は、ダメだって、やめなさい。と、わたしの行動を制したのでした…
それでもわたしはキスをせがんだりしましたが、途中で自分の行動が恥ずかしくなり…我にかえりました。
イチャイチャというと軽く聞こえますが、ご主人様とそのようなことがしたくて、一人だけ、エロエロモード全開の空回りで、切ない気持ちになりました…
そうこうしているうちにラストオーダーの時間になり、居酒屋をあとにしました。
…本当にあっという間だったなぁ…
可能なら、待ち合わせした時間に戻らないだろうかと不可能な願望を抱きながら…ご主人様を見上げました。
…もうお別れの時間…まだ一緒に居たいよ…
しつこいわたしは、まだ諦め切れず、ご主人様に終電のギリギリの時間まで一緒に居たいということ、ラブホに行きたいです、とお願いするような形で提案していました。
本当にご主人様とどうにかなりたくて必死だったのです。
ここでもご主人様はとても冷静で、帰ろうか。の一言…
せめて二軒目行きたいです!とお願いしたときは、ご主人様は駅の方を向いて歩いておられました。
撃沈…でした。
せめても、と、手を繋いで歩きたくて、ご主人様の横に並びポケットに突っ込まれている手を引っこ抜いたのでした。
ご主人様は、寒いから…と再びポケットに手を仕舞おうとわたしの手を振り解きましたが、負けじとご主人様が手を入れ直したポケットに自分の手を潜り込ませ…無理矢理服の中で手を重ねにいきました。
これにはご主人様も参ったようで、ポケットの中で手を握り返してくださいました…
少しだけ…心を許してもらえたような気がして、泣きそうになるのを抑え込み、駅に着くまでの間、ご主人様と他愛無いお喋りを楽しみました。
わかれの時間が刻一刻と迫っているのが本当に切なくて、もどかしくて、このまま時間が止まってしまえばいいのに、と無駄な願いも虚しく、ご主人様から気をつけてね、と挨拶いただき帰路につきました。
わたしはすぐさまラインで、¨ご馳走様でした!今日は本当にありがとうございました。次こそは…!¨と意味深な感じを含めましたが、ご主人様から¨おやすみ¨と一言だけ返ってきました。
…今日のこと、夢じゃないよね…
いろんな反省点がありましたが、さっきまでのことが走馬灯のように過ぎていき、またすぐに会いたくなってしまい…
振り返ると、破茶滅茶なことをしていましたが、後日ご主人様から、この日ミニスカートを履いてこなくて正解だったな、と告げられることになるのですが、もしスカートだったら確実に手を出していたかもしれない、と…
確かに当時はわたしもなんとかなってしまいたいとばかりで、自分から仕掛けておいてなんですが、もしご主人様があっさりラブホに行くような手の早い方だったら、わたしは幻滅していたと思います。
その感想をご主人様に述べると、だから、あのとき全てのことが必然だったんだよ、と…
好き勝手やりたい放題の小娘でしたが…
運命ではなく、必然であったと言っていただけたことが、鳥肌が立ってしまうほど嬉しかったのでした。
さき
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